京都の古社「下鴨神社」でこちらを頂いてきました。
下鴨神社の境内にある茶店「さるや」。
私が初めて参拝した20年前にはなかったはず・・。
と不思議に思っていたら。
建物も真新しいですし、どうやら最近出来た様子。
写真右手にある庭には、緋毛氈の長椅子が出ています。
下鴨神社に参拝した帰り、ここでお茶していくことにしました。
私が注文したのは、手前のお盆のもの。
約140年ぶりに復活したという「申餅(さるもち)」がふたつ。
と、まめ豆茶のセットです。
奥のは夫の「しるこ 白玉入り」。
申餅は、葵祭の日にふるまわれていたという名物。
葵祭の申の日に食べて、無病息災を祈ったんだそう。
そして、申餅の色に注目してみてください。
なんともいえず慕わしい、あたたかな色です。
小豆の茹で汁で餅をついているので、こんな色になるんだとか。
「はねず色」、というそう。
一緒についていたリーフレットによると。
「はねず色」は、明け方の一瞬、空面が薄あかね色に染まる様子。
命の生まれる瞬間を表す、とのこと。
色にも、縁起・良い意味を込めるというのが、なんとも日本らしい。
細やかで情緒豊か。素敵です。
中には甘く茹でた大粒の小豆が入っていました。
美味なり。
夫のおしるこ。
中に白玉がみっつ入っていました。
お相伴で私もひとつ頂きましたが、とても上品な味。
さらさらとしたこしあんが、のどを滑り、ぬくもりが腹に降りていく。
寒い時期はおしるこ、いいですよね。
さー、ではセットでついてきた、まめ豆茶を頂きましょう。
4~5分待ち、色がしっかり出てから・・と説明がありました。
さきの申餅が「はねず色」なら、こちらはしっかりとした深い紫色。
ですが、器に注ぐと薄らいで、はねず色とも重なります。
まめ豆茶は丹波地方の黒豆を厳選し、昔のまま仕上げてあるそう。
滋味あふれる深い味わい。堪能しました。
このお茶、大好きです。
あ、そうそう。
お茶を楽しんだ後は・・。
黒豆を皿に出して食べて下さい、とのこと。
好みで・・と、塩も添えてありました。
この黒豆がまた、くせになるおいしさ。
夫と二人、中庭の緋毛氈に腰かけて、黒豆をつまむひととき。
何十年後も・・。
こんな風に豆を食べつつ、二人で話が出来るといいなぁ。
なんて思いました。
ありがとうございます。
明治期に姿を消したという「申餅」。宮司さんへ口伝される製法に従い、「はねず色」も再現されている、というのが嬉しいです。右の写真が、お茶を楽しんだ後の黒豆を皿に取り出したところ。左側の小皿にのっているのが塩です。煎り豆はもともと好きなんですが、このようにお湯に浸ってほとびたものもまた、良いもんですね。適度に柔らかくなって食べやすいので、年とってからもいいなぁと思ったり^^。下鴨神社にお参りしたらまた、こちらで申餅を頂きたいです。。
~ある日のつぶやき~
小さい頃、私も妹もマッシュルームカットをしていた。ビートルズみたいな、というとかっこいいかもしれないが、要は丸みを帯びた短めのおかっぱ頭だ。これは母の趣味。いわく・・「自分で髪を洗って綺麗に乾かしたり、結ったりできない年頃の子が髪を長く伸ばしているのは、好きじゃない。こざっぱりとした髪型をしている方が清潔感があって好きだ。だから、髪を伸ばしたいんなら、自分で自分の世話が出来るおねえさんになってからね」・・とのこと。まー独断と偏見かもしれないが、それが母の好みであった。私も別段不満があった訳じゃなく、そのまま大きくなった。中学生の頃は厳しい部活に所属していて学生カットというショートカットですごし、髪をロングといえるほど伸ばし始めたのは高校生になってから。そんな私が大人になり、年端のいかないこどもたちを見て思うのが・・私も母と同じ好みを持っているということ。さらさらヘアーでべっぴんさん、顔まわりの髪を綺麗に編み込まれた様がしっくりくる、小顔でお人形さんみたいな女の子もたまに見かける。でもねーそれはほんとに稀な存在。幼い子だけに限らず・・中年女性でも短い髪や、あごくらいで整えられた髪、長くても鎖骨下~肩甲骨くらいで切り揃えられた髪、というのが好ましい。清げなるさま、というのはまわりに不快感を与えない。好きな髪型で好きなもん着て何が悪いんだ、という意見もあるだろうし、それをどうこう言う気もさらさらない。だけどやっぱり、清潔感って大事だなぁと思う。。