これ以上、器を増やすことはならぬ。ならぬ・・と思いつつ。
またひとつ、我が家の食器棚に仲間入りしたこの豆皿。
大分県の小鹿田(おんた)焼。
この刷毛目、器のフォルム、醸し出される雰囲気に一目惚れ。
ふふふ。見ていると、顔がにやけてしまいます。
京都の「ラ・ヴァチュール」で名物タルトタタンを頂いた後。
こちらに寄りたいなと思っていたんです。
生活用品と器の店「ロク」。
中二階になるのかな。
とんとんっと階段を上がったら・・ありました。
すっきりした店内。
木の床が足に心地良いです。
たまたま他にお客さんがおられなかったので・・。
店主さんに色々お話を聞かせて頂く事ができました。
二か月に一度のペースで買い付けに行かれていること。
スケジュールはタイトで体力的にはかなりハード。
だけどそれが楽しくて仕方がないんだとか。
まわる窯元さんは大体決まっているんだそう。
通い、交流する中で。
焼き物自体の魅力はもちろん、こころざしや姿勢に共感する。
作り手さんたちを尊敬し、生み出されるものを大切に扱う。
・・という流れが自然に出来てきたんだなぁ、と。
お話をうかがって、そう感じました。
実用的な器を扱っているというこちらのお店。
どんなに素敵な器でも使わないと生きてこない。
店主さんの言葉に私も共感しながら・・。
知らなかった事を沢山教えて貰い、充実した時間を過ごせました。
今回購入した小鹿田焼。
飛び鉋(かんな)という模様のものは、よく目にしていたんです。
でも、飛び鉋の他、櫛目、刷毛目もあった。
というのは、今回「ロク」におじゃまして初めて知りました。
古来からの材料、製法を守り、気の遠くなるような作業を繰り返す。
職人さんの手から生み出される器、ひとつひとつ。
機械ではなく全てが手作業なので、模様はそれぞれ違います。
一期一会、「であいもの」の模様。素朴でモダン。和であり、洋でもある。
あぁ、いいなーと一枚一枚見せて貰い・・。
ふと離れた棚に飾られた豆皿に目をやると。なんともいえず、いい。
だけど飛び鉋もいいんだよなーと迷って迷って。
結局当初の直感通り、刷毛目の豆皿に決めました。
広告・新聞かな、を使った包装。
シンプルでお洒落です。
干菓子をのせたい、と思いました。
だけど好物の煎り豆でもいいな。
あ、こぶりでまんまるなおまんじゅうだって、合うはず。
好きな器を眺めていると・・。
何をのせているか。それを使っている自分。食卓などなど。
・・が思い浮かびます。
伝統の製法で作られた、「小鹿田焼」の豆皿。
小さいながら、無限の楽しみを与えてくれます。
実用的なものって美しい。
そぎ落とされたシンプルさ。必要十分な模様もまた、良い。
好きな器が並んでいて、訪れる事自体が喜びになるお店。
そんなお店に出会えるのって、すごく幸せなこと。
またぜひ訪問したいと思います。
ありがとうございます。
好みの合う店主さんのお店にうかがうと、店内にあるどれもこれもが欲しくなり、困ってしまいます。笑 この日もそう。焼き物は産地によって、模様や雰囲気が違っていて、その特色を知るのも面白いです。山陰地方の、私も好きな出西窯の器は大人しい色合い。沖縄の器は、藍色でも鮮やかで、模様も大らかというか、どこか明るい空気を感じます。やっぱり器はいいな~。。
~ある日のつぶやき~
むかーし昔、少しだけ陶芸をかじったことがある。ロクロもまわしたが、好きだったのは手びねり。土をさわり、手で形作っていく工程が楽しく、出来上がりの味わいもひとつひとつ違っていて、使う時あったかい気持ちになる・・というのが、もう、こたえられない喜びだった。だけど・・やはり陶芸は職人や作家の皆さんが作られたものを目で愛でて、使って味わう方が今はしっくりくる。そしてそれが幸せだ。これからも、使う側の立場で、共鳴する器に沢山出会いたいなーと思う。。