しっかり甘く、存在感抜群のタルトタタン。
前からずっと気になっていて・・。
やっとやっと。頂いてきました。
平安神宮の西側にある「ラ・ヴァチュール」。
こじんまりした可愛らしいお店です。
店先にあったメニュー板。
タルトタタン、クルミのタルト、オペラ。
とあります。
でもでも。この日、心は既に決まっていました。
店内でタルトタタンを頂き・・。
クルミ好きの夫にクルミのタルトをお土産に買って帰ろう、と。
席について、タルトタタンと紅茶を注文。
店内満席。
オーダーを取り、持ち帰りの注文にも応じ・・。
「息つく暇もない」というのはこのことか。
そう思うくらい、きびきび立ち働くベレー帽の女性。
この方がお孫さんだ、きっと。
もとはフランス料理を供していたというこちらのお店。今は・・。
名物「タルトタタン」をはじめとしたケーキ各種。
これらを楽しめるカフェとして営業されています。
タルトタタンは、こちらのマダムが長年作り続けてこられたもの。
ご高齢のマダムに変わり・・。
今はお孫さんがその味を受け継いでいるんだとか。
紅茶と一緒に、タルトタタン登場。
ほんのりあたためられています。
上にかかっているのは生クリーム・・ではなく、ヨーグルト。へぇ~。
では、いただきます。
キャラメリゼされて・・。
茶色、飴色を通り越し、漆黒にも見えるりんご。
この独特の味わい。
外側はドライフルーツのよう。だけど内側は・・。
甘さが凝縮された、蜜のような果汁が閉じ込められている。
あぁ、初めての食感、味わいです。おいしい。
甘さ控えめの、今風の洋菓子とは真逆かもしれません。
だけどしっかりした甘みとどっしりしたこの味わいこそが。
本場のエスプリを伝えてくれている気がします。
そして、上にかかったヨーグルト・・絶妙。
さっぱり爽やかな風味が加わることで。
重くならず、良い深みを感じる。
うんうん、なるほどー。
最上級においしく頂ける組合せですね。
紅茶はポットサービスじゃないですが・・。
ケーキ1ピースに一杯の飲み物。
こじんまりした人気店なので、滞在時間も含め、ちょうどいい。
そう思いました。
「前来た時はおばあちゃん座ってはったけど、今日は、いはらへんな~」
隣席のおばさま達の声が聞こえてきました。
目線の先にあった、店内のテーブル。
ほほ~、マダムはゆりさんとおっしゃるんですね。
残念そうなおばさま達に共感。
私も次回はぜひ、マダムにお会いしてみたいな。
受け継がれる味・・名物「タルトタタン」。
ひと口ごとにしみじみと、ゆっくり味わいたい一品です。
ありがとうございます。
タルトタタンが余りに印象的で、他の事に言及してませんでしたが、店内に飾られた小物、食器類、伝票をはさむクリップに至るまで、気の利いたセンスの良い小物にあふれているんです。それらひとつひとつが、お店の雰囲気や居心地の良い空間を作ることに一役かっているんですね。で、この後予定通りお土産を買ったのですが、それについては次の記事で・・。。
~ある日のつぶやき~
タルトタタンを初めて食べたのはいつだったか・・。りんごを加熱したおやつで初めてのものって、私は「焼きりんご」だったなぁ。家で母がよく作ってくれた。当時もりんごは一年中出回っていたけど、秋によく食べていたおやつ。それから、アップルパイ。茶色のおいしそうな照りがついた、さくさくぱりぱりのパイ生地の中に、しっとり甘いりんごがたっぷり・・。あー、おいしいタルトタタンを頂いて、焼きリンゴとアップルパイの記憶まで呼び覚まされ・・これらも食べたくなってしまった。味の記憶ってつながっている。。