眠れる獅子が目覚めるとき -ほんとの願いはなんですか-

2012年夏。
関西へ越す直前に受けた、
初めての人間ドックで数か所、
要再検査となった。

関西で再検査を受け、
治療や経過観察をする中、

今度は別のことで体調を崩し、
回復するべく、

地味な養生の日々が始まった。

これに加え、
新しい土地に慣れることにもやはり
エネルギーが要る。
そうこうしているうちに、
気づけば引っ越してから
数年が経過していた。

私はそれまで、
このままでいいと思っていた。

このまま静かに生きていければいいと。

漠然と「このまま」が続く・・と
思っていたが、本当はいつ、
自分やまわりの大切な人がこの世から
いなくなっても不思議はないのだと、
東日本大震災、そしてこの時の
検査結果で、骨身に染みて分かった。

このまま・・
この世からいなくなってもいいの?私。

このままじゃいけない。

そう思いつつも、
自分に何ができるのか分からないまま、
淡々と暮らす日々。

—————-

2015年夏。
ある人の助言を得てブログを始めてから
丸6年がすぎ、7年目を迎えていた。

もしも神様がいて、
私という人間に愛と激励を与えたいと
考えてくれていたなら・・。

あの出来事がそうだったのだろうと思う。

とてもいやなことがあった。
怒りでしばらく落ち着かなかった。

そして思った。

私の人生このままでいい訳がない。

今までのままだから、こんなことが
起きた気がする。
これで変わらないでどうする。

でも何を、どうしたらいいんだろう。

そう悩んでいた折、
ずっと続けてきたブログがきっかけで、
出会いがあり、 励ましがあり、
流れが生まれた。

できるなんて思ってなかったし、
自信もなかったが、とにかく決めた。
「やる!」と。
それが初めての個展だった。

個展は、自分がやりたいというだけで
出来る訳じゃない。

作品を認め、場所を提供してくれる人、
協力してくれる人、支えてくれる人、
くじけそうな時に励ましてくれる人、

その他本当にいろんな人々の力添えと、
公の評価を受ける自分の気概も必要だと
知った。

出会いと流れとタイミング。
これまで自分が積み重ねてきたこと。
それらが組み合わさって出来るのだ。

個展開催を決めた時から、
私だけじゃなく、

私を取り巻く状況、環境も
音を立てて変わり始めた。

ひとつひとつがチャレンジだった。
手探りで体当たりの、
私なりの行動を積み重ねていった。

—————

目に見えない何者かの強いビンタで、
私はやっと目覚めた。と同時に、
私の中の眠れる獅子が目覚めたのだった。

そして本当の願いが見えてきた。
自分が何をしたいのか、表現したいのか。
それによって自分はもちろん、
まわりの人にも喜んで貰いたい、
ということなど。

ぼーっと生きているつもりだった。
何も考えていないつもりだった。だが
ずっと心の奥で希求していたのだ。


私は私の特性を活かして表現活動をしたい。
仕事にしたい、と。それに気づき、

私は私の本心をごまかすことをやめた。

そう、今まで怖くてごまかしていた。
未知のことは怖い。
どうなるか分からない世界に飛び込むのは
怖い。

心配し、恐れ、しり込みしていた。

だがどうだ。「このまま」でいて、
明日死んでしまってもいいのか。

いやだ、いやだ。生きている限り、
私は私のやりたいことをする。

妥協せず、大好きなことや美しいものを
表現したい。

もう、獅子は目覚めたのである。
ほんとの願いを見つめ、
情熱のままに動くと決めた。

風にたてがみをなびかせた、
澄んだ瞳の獅子を胸に住まわせ、私は
前に進む。

—————–

あなたの獅子は目覚めているだろうか。
それともまだ眠っているのか・・。
眠っているならきっと、
目覚めるときがくる。

ほんとの願いに気づくきっかけは、
さまざま。

私のように頬を打たれるか、
静かに気づいていくか。

眠れる獅子が目覚めるとき。
あなたは変わる。世界は変わる。
より良いほうへ。明るいほうへ。

それは私たち皆にとって、世界にとって、
喜ばしいことである。

ほんとの願いはなんですか。
きっとある。あなたの心の中に。

恐れず目を向け、行動しよう。
前進しよう。

有限なる人生を、最大限輝かせるために。