上田宋箇~武将茶人の世界展~

ありがとうな毎日 seeding of the happiness

先週のこと。

上田宋箇~武将茶人の世界展~に行ってきました。

松屋銀座で開催されていた催事です。

上田宋箇は桃山時代の武将・茶人で、自ら茶碗や茶杓なども作った人。

秀吉の側近大名として一番槍にこだわり、勇名を馳せた人でもあります。

その宋箇が、広島の浅野家で客分として遇されていた縁から、広島の地

で上田宋箇流の茶道が脈々と受け継がれるに至ります。

広島を中心に今や門下は世界に広がるという、上田宋箇流の茶道。

約400年の歴史・・。

その礎を築いた宋箇の魅力に迫るべく、いざ!と入場しました。

まず迎えてくれたのは宋箇着用の赤い陣羽織。

舶来物だというその赤い生地は洒脱かつ燃えさかる情熱を表しているよう。

ずばんと目を射抜かれました。

それを皮切りに、次から次に出てくる貴重な茶碗や茶道具の数々・・。

ちょっとーこれ、すごいよ・・と心の中で思いながらじっくり見て行きました。

中でも印象的だったのは、やはり宋箇作の茶碗と茶杓。

「さても」という銘の赤楽茶碗。

そぎ落とされた外側の縦ラインは、男性的なシャープさと勇猛さを。

ふくらかな円を描くような内側の横ラインは、落ち着きと穏やかな心を。

それぞれから感じました。

相反するような雰囲気がひとつに調和しています。

何気ないようで、じっと見つめずにはいられない存在感を持っている・・。

圧巻でした。

そして、大阪夏の陣の行軍中に削ったという竹茶杓「敵がくれ」。

シンプルでなだらかな「ため」や、すんなり素直な作り。

通常の宋箇作の茶杓(もっと「折ため」の角度が強い)と違い、一見すると、

何の変哲もない感じを受けます。

でもこれは行軍中に作った作品。そう思って、今ひとたび見つめると。

この茶杓みたいに平らかな気持ちだったのか・・無の心だったのか・・。

感慨深いものがありました。

その他では、なんといっても後世に名を残した人物たちの直筆書簡。

秀吉、家康、秀忠、織部などから宋箇に宛てて書かれたものです。

わたし今、秀吉の書いた手紙読んでるんだ・・とわくわくしました。

目の前で見て感じる、生(なま)の迫力、勢い、雰囲気。すごいです。

そして思ったこといろいろ。

秀吉は意外と女性的な達筆だったんだな、この人は男っぽい筆跡だ、とか。

なんとなく性格と筆が一致しているような気さえして、とても面白かったです。

ありがとうな毎日 seeding of the happiness

オリジナル絵葉書をお土産に買いました。

「さても」の茶碗、和風堂の中庭、和風堂の茶室「遠鐘」の三枚。

ありがとうな毎日 seeding of the happiness

そしてもうひとつはこちら。次の記事でご紹介しますね。

宋箇の茶道具は・・。

渋い色合い、静かで時に荒々しく、無骨とも言える見た目。

その奥に、きらめく光のような強いパワーがある・・。そう感じました。

利休・織部に茶道を学び、自らが作り、選んだ茶道具を傍に置き。

上田宋箇の追求した、その「ウツクシキ」美意識の世界。

今回の催事で宋箇の美意識の世界に浸り、魅力を堪能しました。

ありがとうございます。

ありがとうな毎日 seeding of the happiness これはリーフレットに載っていた「さても」。んー・・実物の「ど迫力」をここから感じるには、相当の努力が必要かもしれません。こういう作品は、実物を見てしか感じ得ないものがある・・そういうことなんだと思います。。

~ある日のつぶやき~

古来から今に残る、先人の作った作品の数々。それらは時を越えて作り手の心や情熱を伝えてくれる。図鑑や図録は実物を見た後でそれを思い出すよすがのためにのみあるのかも・・そう思うくらい、実物の迫力はすごい。生(なま)のものに接する機会を逃さず、感性のままに受け止めて糧にしたい。。