2月のソチ五輪。
いくつか競技をみた中で、
一番心に残った女子フィギュアについて。
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ソチ五輪のフィギュアスケート女子。
ショートの結果を朝になって知り、
びっくりした。
真央ちゃんが16位だなんて。
バンクーバーで銀メダルを取ってからの
4年間。お母様との別れがあった。
それでも前を向いて・・。
高い目標を目指し、
一心に練習してきた真央ちゃん。
誰にもできないほどの努力を積み重ねてきた。
その結果が、なんということ・・。
なんて残酷なんだろう。
私は朝からずっとぼんやりしていた。
茫然とした表情でインタビューを受けていた
真央ちゃんを思うと、涙が出てくる。
自分でも意外に思うほど、
ショックを受けていた。
今までフィギュアスケートに対して
熱烈な思いや興味があった訳じゃない。
真央ちゃんファンの皆さんのように、
会場へ応援にかけつけたこともない。
だけどこんなにも、
真央ちゃんの存在が私の中で大きかったとは。
いかん、いかん。めそめそしてても仕方ない。
まず決めたのは、
今晩リアルタイムで真央ちゃんのフリーをみること。
怖いけど、でも、真央ちゃんの姿をしっかりみる。
同じ時間を共有し、どんな結果でも受け止めて。
大丈夫だよという気持ちを送りたい。
夜が更け、女子フリーがはじまった。
いよいよ真央ちゃんの番。
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6種8トリプルのジャンプ、
全て着氷した後のステップ。
鬼神のような、気迫に満ちたステップを観ていたら、
涙がどんどん出てきた。
スピードを保ちつつ、息をも付かせぬ流れのまま、
フィニッシュ。
やった!やり抜いた!!すごいよ、真央ちゃん!!!
もう泣けて泣けて仕方ない。
なんてすごいものを観てしまったんだ・・
という感激で頭がじーんとしていた。
ものすごくクリアなものに、
ざざーんと洗い流されたような爽快感があった。
神も仏もいたのだ。
真央ちゃんと一体になり、氷上に出現した。
この演技は、
とてつもなく大きな美しい贈り物だと思う。
真央ちゃん、
演技を観た日本のみんなや世界中の人々、
すべてにもたらされた贈り物。
おめでとう。そして、ありがとう。
ほんとにありがとう。
晴れやかな顔のインタビュー。
「できる」と思って、自分の理想とする演技が出来た、
という内容。
たとえどん底でも、
「できる」と思ってやること。それが大事なのだ。
「できる」と自分を信じることこそが、自らを救う。
どん底と最高の境地をみせてくれて、
すべてを祓い、飛翔した・・。
真央ちゃんのフリーは、勇気、力、喜び、浄化・・
色んなものを人々に与えてくれた。
恩返しと真央ちゃんは言っていたけど。
なーんも出来ず、ただ祈りながらみてただけの
私にも、こんなに大きな贈り物をくれて。
恩返しなんて、もうもう・・。
こちらこそ、ただただ、ありがとう、だ。
髙橋大輔選手が真央ちゃんの演技をみて
「底力」と言っていたが、ほんとそう。
誰にだって命ある限り、
人としての底力がちゃんと備わっている。
できる、と信じて、やる。やり抜く。
たとえ、目に見える褒章や成果が得られなくても。
自分の納得できる何かが得られるはず。
その過程、経験が糧になり、宝になる。きっと。
それを教えてくれた真央ちゃんのフリー。
みんな、みんな、良かったね。おめでとう。
*真央ちゃん*
本来なら、アスリートの真央ちゃんのことは浅田選手と呼ばなければいけないんだと思うのですが、自分の気持ちを綴る時に素直な感情が出やすい「真央ちゃん」という呼び方にさせて貰いました。
真央ちゃんが尊敬している伊藤みどりさんの演技を動画で観て、感動。ちょっとすごすぎて、言葉にならないくらい。個性は違っても、熱い魂を持つファイター、天賦の才能を持つ稀有な存在である、という点では二人ともそうだと思います。 天才ジャンパー、みどりさんの豪快で爽快なジャンプを観た事がない人はぜひみてみてください。素晴らしい技が持つ美と力強さを感じるはず。あそこまで人間離れしたジャンプは、小賢しい説明やいちゃもんをブッ飛ばす迫力と魅力に満ちています。そして、髙橋大輔選手。あの踊りのセンスも、教えて身につくもんじゃない。指先や髪の毛の先までも含めた、演技全体が美しい音楽そのもの。キレッキレのステップなんか、みていてほんとしびれます。アスリートの皆さんはすごいな~。。