始まりは手づくり市、レトロな喫茶店「御多福珈琲」

足つきの銀色の器に鎮座したプリン。

「御多福珈琲」。
寺町通四条下ル、ビルの地下にある
レトロな雰囲気の喫茶店だ。

知恩寺で毎月15日に開催されている
「百万遍さんの手づくり市」への出店が
お店の歴史の始まり。

ひっそりした入り口から
階段を下りていく。
辿りついたのは隠れ家のような空間。
店内はアットホームな雰囲気。

ミックスジュース。

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珈琲の注文が入ると、
マスターはリズムをとるように
軽快に豆を挽き、ゆっくり慎重に
お湯を注いでいく。
湯が丸く円を描くと、
内側からふっくらと粉が盛り上がり、
良い香りが店内に広がっていく。

和やかなムードの中、
この一連の動きの最中だけは
カウンターにきりっとした
緊張感が生まれる。

足つきの銀の器で供されるプリン、
ミニチーズケーキなど、
珈琲と相性の良いスイーツ類も充実。

店休日は毎月15日。
そう、今もお店の原点である
手づくり市へ出店しているためだ。
15日は知恩寺で、
それ以外の日はこちらの店舗で、
マスターが丁寧に淹れた珈琲を
味わってみてほしい。

 

 

以前「百万遍さんの手づくり市」でマスターをお見掛けしたことがある。晴天の下、にこやかにとても楽しそうに接客されている姿が印象に残っていた。今回色々お話を聞いてみたかったが、ひっきりなしの来店で常に満席、マスターと奥様はフル回転で働いておられたので、華麗な手さばきと身ごなしをじっと見つめるのみ。外国人のカップルが来店し、私のすぐそばで「too nice cafe!」と小声でささやきあっていた。同感。初心を忘れず、常連さんに愛されて進化し続けているお店の雰囲気を肌で感じた。。