「海こひし 潮の遠鳴りかぞへつゝ 少女(をとめ)となりし 父母の家」
与謝野晶子の生家跡にある歌碑です。
~~~~~
先日、堺の町へ出かけました。
ランチと甘味も堪能し、大道筋をてくてく歩いて移動。
その途中、堺出身の有名人二人の生家跡を辿ってきました。
一両編成で、とことこのんびり走る阪堺線。
車体がそれぞれラッピングというのか、広告で包まれていて。
カラフルな様がなんだかポップで良い感じ。
千利休って堺出身だったんですね。
案内板に従って、30M左へ進みます。
到着。
「千利休屋敷跡」です。敷地内に入ることはできません。
今残っているのは「椿の井戸」。奥のがそうですね。
茶道千家の始祖であり、「茶聖」とも呼ばれる千利休。
全国津々浦々、沢山の弟子たちが今に至るまで増え続けている。
その事を利休が知ったら、なんと言うか・・。
タイムスリップできるなら、利休主催のお茶会に参加してみたい!
「与謝野晶子生家の跡」。
千利休屋敷跡からそんなに離れていない場所にあります。
大きな菓子商、駿河屋の三女として生まれた与謝野晶子。
上京するまでだから・・。
生まれてから青春真っ盛りの時期まで、ここ堺で過ごしたんですね。
トップの写真は、晶子の自筆を刻んだもの。
すんなりした、妙味のある字です。
歌碑の上にある、もしゃっとしたもの。
これはなんだろう・・と不思議に思っていたら・・。
横の説明板によると、晶子の好んだアマリリスと百合を模したものだそう。
阪堺線の各駅に、晶子の歌が記されていました。
晶子が歌で表した風景や恋心・・瑞々しくていいなぁと思います。
彼女の歌に宿る感性は、何年たっても色あせません。
カラフルな阪堺線に乗って、堺観光。
千利休屋敷跡と与謝野晶子生家の跡を観て・・。
いにしえの賢人たちが吸っていた空気、風を感じたような気がします。
こんな電車がとことこ走る様子を見ているだけで、心がのんびりします。阪堺線っていいですね。堺は広く、本当は海の近くやもうちょっと東側、内陸の方へも行ってみたかったのですが、レンタサイクルやもう少し時間がないと難しいと思い、この日は大道筋周辺のみの散策にしました。また日を改めて、ゆっくり巡ってみたいです。。
~ある日のつぶやき~
広島で生まれ育った私。結婚して夫の転勤で関東に引っ越すまで、広島しか知らなかった。街中をチンチン電車が走る風景は当たり前であり、関東の有名店の支店が市内中心部に集中しているおかげで、買い物にとても便利だということにも気づかず、山や海が近くて新鮮な魚がお買い得という恩恵も、やすやすと享受していた。地元は田舎だよなーという意識があり、少し不満を持つことさえあった。だけど、離れてみて初めてわかった。故郷の良さや有難さが・・。きっと新たな視点を与えられたためだと思う。それからは自分の世界がガラリと変わり、今いる場所も故郷も、大好きになった。好きというか、感謝の気持ちを持てるようになった、という感じ。今目の前にある恩恵は、当たり前じゃない。いつまでもそこにあるものではなく、いつ消え去ってもおかしくないものであり、涙が出るくらいの有難さに満ちたものである。。