大きくて、丸っこくて、どこか懐かしい味。
心に残るおいしいオムライスを頂いてきました。
なんばの洋食店「重亭」*。
前を通りかかるたび、いつか必ず・・と思っていました。
先日、用事が済んだ帰り道に訪問。
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昭和21年創業の「重亭」は・・。
作家・池波正太郎も足繁く通ったという、60余年の歴史を持つ老舗。
この日、昼時ということもあり、店内はほぼ満席。
唯一、入ってすぐの席が空いていたので座ることができました。
池波氏も入り口近くが定席だったとか。ちょっと嬉しい。
あぁ・・この雰囲気、好き。
アットホームで、常連さんも一見さんもくつろげる大らかさがあります。
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相席のお客さんがお勘定をするとき。
「窮屈な思いさせてしまって、ごめんなさいね」
初老の男性が席をたつと。
「いつも来てくださって・・毎度どうもありがとうございます」
女性客がレジに向かうと。
「出てくるまで待たせてしまって、ごめんなさいね」
おみ足の不自由なご婦人には。
「また顔を見せに来てくださいね。待ってますよ」
年配のおかみさんが、それぞれの客に声をかける。
血の通った言葉、心を込めた接客・・すごく良い。
「ソースに気を付けてくださいね。お待たせしました」
熟年世代か・・先のおかみさんより若いから、若おかみかな。
こう言葉を添えて、オムライスを目の前に置いてくれました。
わー、なんとなんと。
丸くて大きくて、なんともいえない優しい風情を湛えています。
スプーンをにぎってしばし眺めた後・・いただきます。
ふわふわのたまごに、スプーンをさくっと差し入れます。
中は、ケチャップ色のライス。
・・お、牛肉が入っている!
チキンライスならぬ、ビーフライスですね。
とろみのあるトマトソースは、少し甘みがあります。
あぁ、洋食屋さんの味がする。おいしいです、とても。
ほっとする味。懐かしい味。
近くのテーブルに座ったスーツ姿の男性客二人。
若おかみが話しかけています。どうやら子供さんの話のよう。
「大きくなった?」 嬉しそうに答える男性。
お客さんは大切な仲間、友人、家族みたいな存在。
そういう気持ちが接客に滲み出ていました。
丸く優しく懐かしい・・重亭の「オムライス」。
良いお店は、食べ物だけじゃなく空気もおいしい。
丁寧で気持ちのこもった接客に、身も心も満たされました。
私もレジに行ったら「入り口近くの席で(落ち着かなくて、とか、せわしなくて、ということかな)、ごめんなさいね~」と言われました。いえいえ、そんな・・と言ってお勘定してきました。ここは本当に良いお店です。流行るのも、続くのも分かります。まっとうで、温かく、おいしい。またミナミに行く時には伺おうと思います^^。。
~ある日のつぶやき~
もう数か月前のことになるが、ドアのふちに顔面をぶつけてしまい、痛いのなんので大変だった。時は真夜中。トイレに行こうと起き上がり、真っ暗な中、寝室から出るためにドアを開け・・たまではよかったが、出る方向を間違って(夫からは、そんなことがあるのか?と、さも不思議そうに問われたが、あったんだから仕方ない。本人が一番びっくりしているのだ)、ふちにぶつかってしまった。昔からこの手のドジ話には事欠かないが、今回のもまた強烈に痛かったし、しばらく赤いままだったのが辛かった・・。真っ暗なところで起き上がる際は、ゆっくりと、そして意識がはっきりしてから動き出そう。至って真面目に考え、そう話したのだけど、夫には大笑いされてしまった。ほんと、気をつけなくては・・。。