アメリカンドック

ありがとうな毎日 seeding of the happiness 今のどんくさい姿からは想像できないと夫によく言われる私だが、学生時代 運動神経はまぁまぁ良かった。市の陸上大会で入賞したこともある。そんな私だが、水泳は大の苦手。好きな体育の授業も夏は気が重かった。私が小学校低学年だった頃のある日、母が「水泳教室に行ってみてはどうか」と言い出した。市内中心部のプールで、夏休みの数日間だけ水泳教室をしているという。バスで通う事になるし、知らない人ばかりの所は不安だ。迷ったが、少しでも泳げるようになりたい一心で行く事にした。親同士で話したらしく、近所に住む同学年の女の子と二人で通う事に。実力を見てクラス分けされた結果、一緒に行った子は多少泳げるクラス、私は当然、全く泳げないクラスとなった。授業では顔を水につけるところから始まり、できなくても気長に待ってくれて、とても和やかな雰囲気だった。授業が終わると着替えて帰るだけだが、その前にお楽しみがある。プールを出たところに一軒だけ屋台があり、アメリカンドックが売られていた。それをおやつに食べていいと母からいわれていたのだ。頑張ったご褒美に、と考えてくれていたのだろう。私達はいつもそれをひとつずつ買ってベンチに座り、日暮れの風を感じながら今日の授業について話す。ケチャップのたっぷりかかったアメリカンドックはとてもおいしくて、大きかったけれどぺろりと食べられた。それからバス停に向かい、オレンジがかった空を見ながら、バスに揺られて帰っていくのだ。それを数日繰り返した結果、私はなんと泳げるようになっていた。といってもまだ25メートルがやっとだったが、顔もつけられなかった頃に比べたら奇跡に近かった。息継ぎが出来た時の驚きと喜び。教室終了の日、私のクラスの子はみんな息継ぎができるようになっていた。それもとても嬉しい事だった。本当に大きな実りをもたらしてくれた水泳教室だったが、気持ちの半分、いやそれ以上はアメリカンドックが楽しみで通っていた、というのは内緒だ。

<アメリカンドック>
今回の写真のアメリカンドックは某コンビニのもの。
先日、夫が久々に食べたくなって・・・と買ってきた
ものをパチリと撮らせて貰いました。私が当時食べて
いたものは、屋台のおじちゃんが、ケチャップの缶に
ドボンとつけてくれていたので、もっとた~っぷりの
赤赤しい見た目でした。
屋台でもそうですが、アメリカンドックの香りって、
暴力的なまでに人を惹きつけますね。最近は、調子に
のってぱくぱく食べると後で胸やけすることがあるの
で、ちょこっとだけかじらせて貰うことが多いです。
ミニサイズがあると嬉しいかも~。