特別企画 「ある日のつぶやき 拡大版」
<登場人物>
夫:のんびりマイペース。遅寝、早起き。
睡眠時間短めでも、わりと大丈夫なタイプ。
ゆっくり堅実なやり方を好む。私から見たら、細かい。
私:低血圧の貧血気味。朝は使いものになるまでしばらくかかる。
7時間は寝ないと、翌日のパフォーマンスが低下。
ちゃちゃっとやるのが得意。夫から見たら、おーざっぱ。
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先日のこと。
いつもは着替えを済ませた夫が、玄関に出てくる時間のはず。
だが、まだキッチンにいるではないか。
どうしたのか訊いてみたら、出勤前の支度にイレギュラー発生。
手間取ったため、いつもの時間の電車に乗れそうもない、という。
は?それなら、なんでもっとセカセカしないの?
「今から急いでもきっと間に合いそうにないから・・」と言って、落ち込んでいる。
まぁこんなことめったにないもんな~。夫にしては珍しい。
乗る予定の電車の時刻まであと10数分。普通に考えたらまずダメだ。
普段夫は、自分のペース&段取りで支度したいと、私に手伝わせることはない。
だが今は、緊急事態である。
はい、○○ね。今度はこれ、と。んで、これ持って、あれをカバンに入れて・・。
二人羽織のタコ踊りで、「間に合う、間に合う。ほれほれー」。
掛け声をかけつつ送り出し、しばらくしてからメールがきた。
「間に合った。それに座れた。ありがとう」とのこと。
間に合っただけでなく、座れるというおまけつき。
えがった、えがった。
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夫は、出勤前にバタバタしたくないタイプ。
起きたらゆっくり自分のペースで支度をし、
気持ちも時間も余裕を持って出かけたい、というほうだ。
では、私が働いていた若き頃はどうだったか。
朝は一分、一秒でも寝ていたい。典型的な、瞬発力にかけるタイプである。
ある時など、「この時間に家を出なきゃ絶対間に合わない、というか、
間に合えばいいね、というギリギリ」時間の、5分前に目覚めた。
もちろん跳ね起きる。朝ごはんを食べる時間などない。
顔を洗い、歯を磨いて、化粧をする。着替えてカバンを持ち、家を飛び出た。
走る、走る・・。バスの停留所まで、ヒールの靴はいてひたすら走る。
普通に考えたら、間に合わない。間に合わないが、あきらめない。
我にかえることを自分に許さず、ひたすら全速力で走る。
すると・・その日に限ってバスが数分遅れているようだ。
滑り込みセーフで乗れた。やったー、間に合ったー!!
・・と、こんな危ない綱渡りがあったとはいえ、遅刻したことはない(はず)。
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絶対、だめだーと思うときでも。
だめだと分かっているのにこれやって何になる、とは思わない。
だめだなんて、まだ分からない。
だめだって誰が決めたんだ?自分だ。自分のなまけ心。
やってみなくちゃ分からない。
ありゃまーという結果が起きるまでは、やれるだけやる。
間に合わない、できない、という状態でもともと。
そんな状態から出発したならなおさら、やれるだけやってみる。
そうしたら、その気合いが引力を持つのか、なんだかミラクルが起きることがある。
でもそれを期待したり、当たり前などと思ってはいけない。
あくまで、ラッキーなおまけ、あきらめなかったご褒美、だからだ。
画竜点睛を欠いたとしても、その過程だって宝。
やるだけやったと思えたら、後悔が少ない。
あきらめないで、自分のありったけを、その時の状況に放り込む。
そこからしか生まれないことがある。
これは小さなことから大きなことまで、変わりはない。
やるだけやったら天にお任せ。
そういう心境になれたらこっちのもの。
なかなかなれないけれど、それを目指して行動したい。
「身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ」
「人事を尽くして天命を待つ」
やはり先人は偉大だ。
ちゃーんとこんなことわざがあるんだもん。
出し惜しみせず行動を積み重ね、いつか死ぬその時まで、思い切り生きたい。。