「取材こぼれ話」から ~幸せな仕事について考える~

以前書いた記事が
再掲されることがあり、
今も感想を頂く。

最近ライター業はお休み中だが、
有り難いし、嬉しいことだ。

私が取材・撮影・執筆した
記事を見てお店に行って
くださったり、お友達に
紹介してくださったり、
という話を聞くと、本当に
「企画出して良かった」
「取材させて頂けて良かった」
「読んでもらえて良かった」
と、思う。

理想としている記事は、
私も喜んで取材して、
お店の方も喜んでくださり、
実際に足を運んでくださった
お客様も喜んでくださる、
という記事。

近江商人の”三方よし”、・・
ちょっと違うかもしれないけど、
そういう気持ちで書いている。

先日、
私が書いた記事をお友達に
紹介してくださったかたと、
FBのコメ欄でやりとりした時
に思い出した、
取材時のこぼれ話を。

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大阪名物「とん蝶」の取材時に
お店の販売員の方に伺った話。
(記事はこちら

以前、お母様と娘さんが二人で
よく買いに来られていて、
しばらくしてから娘さんお1人で
買いに来られるようになった。

お母様は
お亡くなりになったのだそう。

お母様が「とん蝶」の
「とうもろこし」が好きだったので、
お供えしたいとのことで来店された
とのこと。

親子代々「とん蝶」が好き、
「お供えする」と買われるかたも
多いと聞いた。

食べ物は
単に食べ物というのではなく、
食べた人の心に残り、
かけがえのない思い出となり、
故人を偲ぶ大切なものと
なり得るんだなと改めて思った
エピソード。

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原稿では、
取材時に伺ったお話を
すべて掲載することはできない。

だが、そういうことも含め、
その商品の成り立ち、背景、
お話してくださった
大切なエピソードを
自分に染みこませて書く、
という意識で書いている。

普段、
私が何かの商品を買うときも、
その商品の成り立ち等、
背景を含めて検討するし、
それを知るのが好きなのだけど、
こうして取材させて頂くときに
伺うエピソードのひとつひとつも、
以前から好きだったその商品への
さらなる愛着となり、すべてが
私の心の糧になっている。

その場だけじゃなく、
書く前から、書いてからも、
その商品に関われたことを
嬉しく思えるような仕事を
していきたいと思う。

人を撮るという仕事もそう。

私の撮った写真が、
被写体さんだけでなく、
そのまわりの人々や多くの人達の
心に響き、喜んで貰えて、
関わった人の心に残るようなもの、
であるといいなと思う。

それが、幸せな仕事、
なのではないか。

そういう幸せな仕事を
これからもしていきたい。