胸は知っている ~感情が分からない時は~

なんだか意味深なタイトルで
混乱させてしまってるかも。
先にあやまっておきます(笑)

私の場合なんですけど、
何かを知った時、
または何かを想像した時、

胸が、心臓のあるあたりが
ズキっとする時があるんですね。
文字通り、胸が痛む感覚。

それで
「あぁ自分は今ショックなんだな」
「これをマイナスに想像したのか」
「心配しすぎてこうなったのか」
ということをはっきり自覚します。

こういう感覚っていつからかな、
と考えてみたら、小さい頃から
でした。

——

・妹が生まれた。
可愛いし嬉しいんだけど、
母が妹にかかりっきり。
それを見ている私。

・父がまた何かやったみたい。
両親がケンカしてる。
ドキドキして見ている私。

・場面は保育園の教室。
みんな親御さんがお迎えにきて
どんどん帰っていくのに、
私の母はまだ来てくれない。
門扉は人の気配がまったくない。
日暮れて暗くなった園庭を、
不安な気持ちで見ている私。

どの場面の私も、
胸が痛かった記憶があります。
ぎゅーっとするような感覚。

これはきっと、
さみしかったり、悲しかったり、
ショックだったり、
危険を感じていたり、
ということなんだと思います。

いずれの場合も、
私はその感情を理性で
押さえてきたようです。

・妹は赤ちゃんなのだから、
“おねえちゃん”である私は
我慢しなきゃ。
お母さんに甘えたくても、
お母さん忙しくて大変そうだし。

・お父さんは
たまにびっくりするようなことを
言ったりやったりする。
私には優しくて良いお父さんだけど、
お母さんは怒ってるなー。
どっちの味方もできない。

・”やきん”の日はお父さんが夜いない。
お母さんも働いてて忙しい。
早くお迎えにきて欲しいし、
家で一緒にテレビみたいけど、
しょうがない。
〇〇先生が紙芝居よんでくれるけど、
本当はそんなのどうでもよくて、
早くお母さんと帰りたい。
でも、そんなこと思っちゃいけない。

こんな風に。

それがずっと、
大人になるまで続いていきます。

感情を麻痺させて感じないようにして
生きる方が軋轢がなくてラク。
そう思い込んで。
そうするしか知らなくて。

感情を置き去りにする日々が
わりと続いたと思います。

転機は就職してから、
軽いウツで数か月休職したことですね。
社会人1年目でした。

感情を押し込めても、
その感情はちゃんと残っているんです。
「ねーねー、ここにいるよ」
そう言って出てきます。

それは
心許せる人と出会った時、
それは
他の悲しみやさみしさに誘発されて、
それは
自分でも分からない怒りの衣をまとって。

感情はわき上がってくるもの。
ちゃんと感じて、感じきって、
昇華させる。成仏させる。

それが大事なんだと気づけたのは
最近でした。

何度も爆発して、
その場にいた人の大きさに包まれ、
許され、ここまできたんだなーと
思います。

——-

感じ尽くされていない感情を
持て余している人ってたくさんいる、
そう思います。
私もそうでしたし、今でもたまに
そうなりかけることがあります。

きっと、まず、
感情が発生したということに
気づく必要があるんですよね。

その目安が「胸の痛み」なのでは
ないかと。

ズキっとしたら無視しない。
この痛みはなぜ起きたのか。
何を自分は感じているのか。

それを観察します。考えます。
掘り下げてみます。

そうしたら必ずいるんです。
感情が。
「粗末に扱われた気がして悲しい」
というように。

それを見つけてあげて、
「おー、そうだよね。
あんなことされたら、
そう思っちゃうの分かるー。」
と、まるで昔からの友人みたいに
その感情に寄り添う。

こうやって感情の手当を
自分で出来るようになったら、
それらの感情は
「分かってくれただけでも嬉しいし、
救われた気がする。
そうそうそうなんだよ。
やっとすっきりした。ありがとー。
じゃあねー。バイバイ」
と天に昇ってってくれる気がします。

感情を軽視しない。
泣いたっていいんです。
恥ずかしがらずに、どんどん
泣いちゃいましょう。
(なるべくひとりの時がいいかな。
どしたー?ってなるかもだから。
心許せる人の前では遠慮なく^^)

感情って大変だったり、
嫌なものではなく、
良いものを生み出すパワーに
なったり、人と分かり合えたりする
素敵なものだなーって思うんです。

感情は、幸せになるために、
幸せを感じるために、気付くために、
とても大切なものです。

うとましがらず、逃げず、
ただ受け入れて、
可愛がってあげたら
いいんじゃないかな。

——

胸は知っている。

本当の感情を。
何に自分が影響を受けて、
どんな風に感じているのかを。

だから、胸の痛みを、
ざわざわを、もやもやを、
無視しない。

自分が最初にそれに気づいて
共感してあげることで、
随分違うし、救われると思います。

自分で出来ない時は
友達や専門家の力をかりても
いいですよね。

大切な相手なら、
ずっと我慢するのではなく、
勇気を出して伝えてみるとか。

自分の大事な一部である感情を、
胸から感じて理解する。

すると、ちょっとほっとできて、
ふんわり朗らかに生きていける
気がします。

ではではー(^^)/