そこからがはじまり ~個展や作品展について~

他者評価は大切。

行動するのは大事。
だが、行動しさえすればいい
というものでもない。

そしていずれの場合も
そこからがはじまり、
という話をしたい。

—–

2015年9月、
大阪で初めての個展をした。

私のブログの写真を見た方から
「個展してみない?」と言って
頂き、開催することになった。
食べ物の写真ばかりの個展だ。

正直、自信なんて全然なくて、
そう言ってもらわなければ、
自分の写真で個展を開催する
なんて思いもしなかった。
まさに青天の霹靂。

だけど「やる!」と決めた。
目利き、かつ、信頼する人に
評価して貰えたのだから。

初日、最初のお客様は
第一線で活躍されている画家で
絵画教室もされている先生。
(これもたまたま。
前日この会場を使われていて、
忘れ物を取りにいらしたのだ。)

さっと視線をめぐらせて、
開口一番「プロの方ですよね。」

・・幸先良いなと思った。
それからじっくり見てくださった。

(後日親しくなってお話を聞くと
「写真見て絶対プロやと思たもん」
とのこと。ますます嬉しかった♪)

事実、
それから続々とお客様に来て頂き、
用意したDMも、ほぼすべて
持ち帰ってもらい、盛況のうちに
終了できた。

デザイナーや広告業界で働いていた
プロの皆さんから、
必ず仕事になる、きっとあなたは
これから活躍するカメラマンになる
と言って頂き、本当に嬉しかった。

大活躍と言えるほどではないけど(笑)
仕事になった。でもまだまだなので
もっと頑張る。
できることをコツコツ継続していく。

——

個展や作品展をするには、
何か資格がいるのか。

そう問われると、ない、というのが
答えかと思う。

ただ、
もし敢えて基準をあげるとするなら、
「自分以外の人(目利きの人がいい)
からすすめられて=やってみたら?と
言われて、する」ということかも。
もしくは、開催にあたり作品に対する
一定の審査が必要な会場でやるとか。
(ただ、プロがほめてくれたとしても
それでその人の個展や作品展が盛況に
なるか、プロになれるか、成功するか、
となると、そうとは限らない、のが
現実かと思う。厳しいかもしれないが)。

私の場合、
イベントのプランニングや
プロデュース業もされている、
個展会場のオーナーさんから
「やってみたら?」と言って貰って
開催した。

私の作品に対する評価も、恐縮する
ほど高いものだった。
それに背中を押されて、という感じ。

無名の作家の個展や作品展にかかる
費用は、ほとんど作家自身の負担で、
入場料なしが普通だろう。

世に作品を発表する、知って貰う、
ということが第一義。
それで仕事がくればさらに良い、
という感じだろうか。
(だから入場料を取るのはちょっと
考えられない。物販はまた別。)

個展や作品展は、費用を出して、
場所を借りさえすれば
誰にでもできる。

だけど
最小限の他人(何度も言うが、
素人より目利きのプロが望ましい)
からの評価なしで開催するのは、
ふたを開けて初めて他者評価を
もらうという意味で、
勇気がいるのでは?と想像する。

行動しなければ始まらない、
というのは真理だ。
だが同時に、
行動しさえすればいい、
というものでもないのではないか。

それはやはり
きっかけにすぎないので、
今後のことを考えたら、
初動の後が重要なんだと思う。
(そこまで見た初動、というか)

もちろん、
自分の記念に・・とか、
親しい人達に見て貰えるだけでいい、
というものなら、問題ない。

それを仕事にしたいとか、
世の中に作品を発表して評価を得て
これから活動をしていきたいなら、
やはり他者からの評価が必要かなと。
あった方がいいのかなと思う。

プロの世界では
クオリティと意識の高さが必須だと
思うし、それは自己評価ではなく
他者評価によって価値がつけられ、
判断され、分かるもの。

私も、やってみたら?と言われての
開催といえど、ずっとこわかった。

(ただ、念のため展示許可を頂きに、
各お店の方々のところへ伺った時、
「こんな風に撮ってもらえて嬉しい」
という言葉を頂くなど、
すべて快諾!して貰えたのが光栄で
開催前の-わずかな-自信に繋がった。
訪問時は、なんて言われるかと毎回
ドキドキしてた。そしてここまで
嬉しいお言葉や応援を頂戴していて、
それでも開催当日までこわかった。)

だから、開催してみて
高い評価をもらえるか、
仕事がくるか、は
やってみないと分からない。

でも一度であきらめず、
何度も開催し、
クオリティをあげていくことで
道が開ける場合もあるだろう。
それも本人次第だ。

他薦が望ましいが
(最初の他者評価を貰えている
という意味で)
自分で開催するのも、
厳しい評価を含め、
すべてを引き受ける覚悟を
持つならいいのではないか。

どちらの場合も、
開催したら終わりではなく、
そこからがはじまり、というのは
同じだから。

他者評価も得ながら、
自己満足だけに陥ることなく、
勇気を持って行動する。
そこからがすべてのはじまり。
そしてそれは通過点。
・・なのだと思う。