渡哲也というと、
多くの人は「西部警察」の大門を
思い浮かべるのではないだろうか。
良くも悪くもあのキャラが際立ち、
余りにも有名になってしまったため、
彼の代表作と見る向きもあろうが、
私はテレビドラマ
「浮浪雲(はぐれぐも 1978年)」
の渡がピカイチだと思っている。
軽妙洒脱で色気を感じさせる演技、
渡自身の持つインテリジェンスと
野蛮さの共生といい、
まさにはまり役。
いわゆる”大門”しか知らない人は、
これを観ると驚くに違いない。
映画「紅の流れ星(1967年)」
の渡もニヒルで格好良く、
映像のシャープさ・色合いと相まって、
優れたキャラとなっている。
石原裕次郎主演の映画
「陽のあたる坂道」を
渡哲也でリメイクした作品があるが、
こちらは裕次郎の方が
主人公にはまっている気がした。
上品なお坊ちゃんよりも、
どこかクールで知的、
野性味あふれる人物を演じて
突出している。
渡哲也が、
刑事ものばかりで注目されている
のが残念でならないので、
ぜひ他の作品も観て欲しい。
そして響きのある声と、
優れた歌唱力も魅力。
歌手として幾つか曲を発表している
ので、そちらも聴いてみて。
人としてまっとうに生きていること
を感じさせる佇まいと雰囲気があり、
知性、声・・得難い人物だと思う。
存在感として望むのは、
笠智衆のようでいてくれたら、
ということ。
彼が生きているそのままで
演技している姿を、
ずっと観ていたいなと思うのである。
<おまけ>
渡哲也といえば、NHKのドラマ「坂の上の雲」の時の「東郷平八郎」役も良かった~^^本物の銀幕スターが出ると画面が引き締まるし、重みが違うのだ。今も邦画ばかり観るが、昔の日本映画ってほんといい。これからも色々観ていきたいと思う。。