素通りできないものを生み出す

何かを目にする。

なんとも思わなければ素通りだが、
スルーな流れや気持ちがあっても
できないときがある。

私の場合、
写真でそうなることが多いが、
好きな写真、共鳴する写真に
出会ったら素通りできない。
無反応ではいられない。

なんて素敵!
なんて可愛いの…。
なんて美しいんだろう。
なんておいしそうなんだ!!

心に深く響き、
心を強く揺さぶり、
心が震える。
涙が出そうになることもある。

目は釘付け。
心をつかまれたまま、
その写真に吸い寄せられ、
しみじみ眺める。

心でじっくり感じ、味わったら
構図、ピント、背景などを見て
バランスの良さ、色彩感覚など、
作者の技術や感性のきらめきを
愛でる。
素晴らしい!と改めて驚嘆する。

そういう「好き」な作品に
出会えた時に思うのが、
自分の表現もこうでありたい、
ということ。

何の先入観もなくそれを見た人が、
つい引き込まれるような引力を持つ
作品を生み出したい。

感性のきらめきがまぶしくて、
胸がドキドキして、しばらくは
それがおさまらないような。

写真、文章、絵画、音楽。
なんでもいい。

偶然通りかかった、偶然目にした人が
立ち止まらざるを得ない。
素通りできないものを生み出す。

そして自分もそういうものに
出会ったら、素晴らしい!という
気持ちを表したい。

作者に直接伝えられる手段があるなら、
そうする。
できないなら心の中で拍手する。

素晴らしいもの、心が震えるものを
受け取ったから。その感謝の気持ちで。

素通りできないものを生み出す。
これに情熱を注いでいきたい。