先月下旬のとある日。
気温は高いものの、湿度がそんなになくて。
さらっとからっと晴れた日でした。
用事を済ませた帰り・・。
ふと思いついて、寄り道していくことに。
淀屋橋駅から歩いてすぐの場所にある「適塾」。
後に大阪大学へと発展したこの適塾は・・。
蘭方医であり学者、教育者でもあった、緒方洪庵が開いたもの。
塾生には、福沢諭吉、大鳥圭介、橋本佐内、大村益次郎などがいて、
日本近代化に貢献した多くの人材を輩出しています。
史跡・重要文化財である「適塾」は現在、大阪大学が管理しているそう。
前からずっと見学したくて、この日やっと訪問が叶いました。
緒方洪庵像。
オールバックのような総髪姿で、端座しています。
淡々とした風情ながら、厳しく見えるその眼差し。
でもどこか優しさも感じるのは・・。
多くの若者を受け入れ育てた、洪庵の人柄が表れているから。
かもしれません。
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大きな木造二階建ての適塾。
室内を順路に沿って、くまなく見学しました。
心に残ったのは、洪庵の書斎と台所、塾生大部屋、の三カ所。
中庭をのぞむこじんまりした書斎。
洪庵が使っていた平机が残されていました。
いろんな書物を物したり、塾生らへの講義内容を考えたり・・。
しばし佇んで、静かで明るく、落ち着いた雰囲気を味わいました。
台所は思った以上に広々としていて、使い勝手の良さそうな空間。
洪庵の妻である八重さんが、采配して腕を振るった場所ですね。
9人の子供と多くの塾生、患者さんのためにどれだけ働かれたことか。
洪庵の偉大な業績は、八重さんの支えあってのもの。
急な階段を上がって、塾生大部屋へ。
これがまたなんとも爽快で、男臭さを感じさせる部屋なんです。
もちろん、今は誰も住んでいません。笑
だけど往時の雰囲気をしのばせるに十分な「何か」があります。
畳一畳が一人分のスペースとして割り当てられていた、とのこと。
寝起きはもちろん、勉強も一畳の中です。
成績順に好きな場所を選べるというのも、面白い。
どこが人気だったのか、誰がどこで寝起きしていたのか。
志を持って新しい日本を創った若者たちが・・。
励ましあい、しのぎを削った空間。
それが今に残されている事の有難さ。
興味のある方はぜひ体験してみてください。
おいしいものを頂くのも、重要文化財を見学するのも、
貴重な心の栄養。
また気の向くままに散策し、味わいたいと思います。
史跡・重要文化財「適塾」は、修復しながら当時の建物を今に生かしているのがすごいし、それを見学できるのもまた貴重で有難いこと。病弱の身で世のため人のために尽力した洪庵と賢婦人の八重さんに思いを馳せました。数年前大ヒットしたドラマ「J○N」の世界も頭に浮かべつつ・・^^。。