5・・いやいや、8センチはありました。
分厚い円柱形の大根に箸を入れたところ。
大根は、だしがしみこんで黄金色。
すーっとなんの抵抗もなく箸が通ります。
あつあつの一片を口に入れて・・ほふほふしながら咀嚼。
あぁ、おいし。
道頓堀の老舗「たこ梅」へ行ってきました。
「たこ梅」は、言わずと知れた関東煮(かんとだき)の名店。
関西では、おでんのことを関東煮というんですね。
~~~~~
とある週末のお昼前。
夫と二人で暖簾をくぐったら、一番乗り。やった!
カウンターの真正面。
目の前のおでんと、がっぷり四つに組み合うかのような位置に座ります。
さぁ、何にしよう。・・って実はもう決めてました。
土日はお昼も営業されていて、お得な定食があるんです。
店名にも冠されている名物「たこ」の甘露煮付きの「たこ梅定食」。
これだ!と勇んで注文したところ・・。
なんと、たこの入荷がまだとのこと。がーん・・。
という訳で、たこの甘露煮がついてない「関東煮定食」をオーダー。
「ごめんね。たこはないけど、あとは全部一緒だから・・」と、お店の方。
一瞬がっくりきたけど、楽しみはまた後日ってことで。
二人並んで腰かけて。
ぐらぐら沸き立つおでんとだしの。
表面見つめてしばし待つ・・。
「はい、どうぞー」。
「関東煮定食」です。
おでん5種に、ごはん、味噌汁、漬物がついて¥850。
でーんとそそり立つ大根、まんまるのじゃがいも。
だしを最大限に吸い込んだ厚揚げに、大きなこんにゃく。
あとひとつは・・。
ちくわでした。
だしの中であつあつにして、ほいっと出してくれたんです。
ではではいただきましょう。
きりっとした「だし」は、具材に染みこんでまろやかになっている感じ。
ひとつひとつが、やっつけでもおざなりでもなく、ちゃんとおいしい。
厚揚げにかぶりついたら、口中にだしがじゅわ~っと溢れます。
じゃがいもも、柔らかいのに全く煮崩れてない。
その上、だしもしっかり染みこんでいて・・どうなっているんだ?
でもでも、その思考も止まるほど良い味なんですよね~。幸せ。
ごはんや味噌汁だって、それぞれ丁寧に仕込んだ味がします。
ひたすらもくもく食べ進めていると。
「あ!あれいいねぇ~。絶対おいしいよ・・」
感に堪えぬようにつぶやく夫。
視線の先を辿ると、店内に張り出されたメニュー表。
そこに「汁かけごはん」とありました。
これは、あれだ。
おでんを肴に一杯やって、しめにこの「汁かけごはん」。
いや~最高だろうね、と二人で話しているうちに。
定食をきれいに完食。ご馳走様でした。
しみしみあつあつ・・「たこ梅」でおでんのランチ。
次こそは、「たこ」の甘露煮と汁かけごはん。
また来ようねと話して、店を後にしました。
ありがとうございます。
お店の風情がいいんですよね~「たこ梅」さんは。渋い暖簾をくぐって、引き戸を開けると・・木の肌もつるっとなめらかなカウンター。店内は、腰かけるとなんとも言えず落ち着く雰囲気に満ち満ちています。「たこ」の甘露煮だけじゃなく、鯨の舌「さえずり」、鯨の皮「コロ」などもここならではの人気おでん種。次回はぜひ味わってみたいと思います。この日、私達が入店した後も続々とお客さんが来られ、皆さん「たこ梅定食」をオーダーしてました。が、やはり「たこ」の入荷待ちってことで、「関東煮定食」に・・。みーんな揃って同じものを頂く。こういうのも中々いいもんです^^。。
~ある日のつぶやき~
考えてみると、いま普通に目の前にあることって、数十年前は全然普通じゃなかった、というものが結構ある。携帯電話だってそうだし、スカイプ(?余り良く分かってないけど)なんかもそう。広島市で生まれ育った私。中区にある「こども文化科学館」という施設が大好きで、たまに連れてって貰えると、嬉しくてわくわくして仕方なかった。子供の時以来行ってないので、今はどんな施設があるか分からないのだが、当時はテレビ電話があって感動した。ドラ○もんの世界だ!と興奮したものだ。インターネットだってそう。小さい頃は、調べものがあったら図書館で百科事典などをみたり、人に訊いたりしていたけど、今はなんでもネットでちゃちゃっと検索すれば、驚くほどの情報量が得られる。今ある便利なものや、当たり前みたいに享受している恩恵は、見知らぬ人々の努力と創意工夫、その積み重ねで生まれた貴重なものだ。携帯電話が繋がりにくいとか、たまたまネットが使えない状況になると、ついぶーぶー言いたくなるけど、なんでも文句言う前に感謝しないといけないな~と思った。。