この日、神田にある蕎麦の名店「まつや 」に行きました。お店の前は・・行列ができています。だけど少し待ったら入れそう。最後尾について夫と話していると、ほどなくして呼ばれ店内に。ぎっしり入ったお客さんは皆さん笑顔。楽しそうにそばをたぐっています。当然ながら相席ですが、テーブルに不思議な一体感が出てなんだか居心地が良いです。寒い日だったので、夫はかしわ南ばんを、私は前から頂いてみたかった写真の「そばがき」を注文しました。「少々お時間頂きますが、よろしいですか」とお店の方に聞かれ「はい!」と答えると、にこやかに奥に消えていかれました。接客を担当しているのは、数人の奥様がた。奥様、という言葉が反射的に出てきたのは、皆さんがされているエプロンのせいかと思います。動きやすそうな私服に、昔ながらのお母さんがしているようなエプロンをつけておられて、それがまた良い雰囲気を醸し出しています。親しみやすくて丁寧な接客なのがいいな~と思いました。店内右奥ではいままさにそばを打っておられるところ。生地を伸ばす時、棒に顔を近づけ、その距離約10cmほど。そして顔が離れ、また近づき・・。と繰り返されている様に見惚れていると、運ばれてきました。かさ高い桶のような器なので、まわりの人に視線を送られつつ、ふたをとると・・。”あぁ~いい湯だな~”とでも言っていそうな、木の葉型のそばがきがほっこり姿を現しました。かわいい♪温められたつゆに薬味を入れて、ではいただきま~す。そば粉100%というこのそばがき。箸を入れると、とてもむっちりとしています。つゆをつけて口に入れると・・ふわ~んとそばの良い香りが広がります。ざるで味わうそばが鋭角なら、そばがきは鈍角というか丸みを帯びた香りがします。同じそばでも形状が違うと別の食べ物になるんですね。優しくて、素朴な味わい。ほんとうに滋味あふれるおいしさです。あ~やっぱりそばがき、好きだな~。夫のかしわ南ばんは、よくある鴨南よりあっさりしています。鳥肉はかみ締めると良い味が染み出してきました。底に一片のゆずの皮が入っていて、その風味がつゆと合って絶妙!こちらもとてもおいしかったです。体がぽかぽか温まり、幸せなひとときでした。
ありがとうございます。
「まつや」さんも先週の「たいめいけん」さんと同じように、作家・池波正太郎
氏が愛したお店です。昼間から板わさや焼き鳥と一緒に一杯やる・・そんな
粋なすごし方もいつかしてみたいな~と思います。次の記事のお店も池波
氏のお気に入りのお店。まつやの近く・・といったらもうお分かりの方もいらっ
しゃるかもしれません。そう、あのお店です。。