たそがれどき と かたわれどき

先日見た夕焼け空。
大好きな色だったので
思わず撮ったもの。

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薄暗くなって
誰か分かりにくい時間帯を
「黄昏(たそがれ)時」という。

この言葉のもとになった歌が
万葉集にある。

『誰そ彼と 我をな問ひそ 九月の
露に濡れつつ 君待つ我を』
(誰なのかあの人は、などと
私のことを訊かないでください。
九月ながつきの雨に濡れながら、
あなたを待っている私のことを…)
【万葉集 作者未詳 2240】
*九月=旧暦。今の10月にあたる。

誰そ彼(たそかれ)=黄昏(たそがれ)
となり、後に夕暮れ時をこういう
ようになったそう。

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黄昏時…「たそがれどき」の
空の色がとても印象的で、
大好きな映画『君の名は。』(2016)。

この映画のタイトルは
万葉集のこの歌がモチーフに
なっているようで、
誰そ彼=あなたは誰ですか、で、
言いかえると「君の名は」…だ。

そしてこの映画で黄昏時は
「かたわれどき」と呼ばれている。

かたわれ=片割れ、で
瀧くんと三葉、それぞれを
表している言葉でもある。

「かたわれ」の存在と
お互いの名前、結びつくという
「むすび」も映画全体の重要な
テーマとなっている。

人と人とが結びつくとき、
それは出会いから始まる。

自分から名乗る場合もあるし、
相手のことを知りたいと思ったら
「あなたはどなたですか」
「お名前を教えて頂けますか」
という問いかけをするだろう。

まさに『君の名は。』だ。

あなたとつながりたい。
あなたと結ばれたい。
そう思ったときに問う言葉。
「君の名は…?」

—–

「はじめまして。〇〇です」
そう名乗って関係が始まる。
知り合い、友達、それから…。

出会い、
お互いの存在を認め、
やりとりをしていきながら、
いつしか、
かけがえのない存在に
なっていく。
かけがえのない存在だと
気づく。

名前を知り、
呼び合うということ。

それは最初に始まる
「むすび」なのかもしれない。

夕焼け空はいろいろ…。
こんな感じの空の色を見たら、
「たそがれどき」もいいけれど、
「かたわれどき」、と呼びたい。
そう思う。

応えてくれた
あなたに感謝します。

あなたと出会えて
本当に嬉しい。
ありがとう^^
ほんとにありがとう。