味はもちろん・・。
目にも心にも美味しいお弁当を頂いてきました。
京都、祇園。
花見小路を西に一本入った通り。
ふと前を見ると、一人急ぎ足で南へ向かう舞子さんの姿。
打ち水をした店先といい、しっとりした風情が漂っています。
「祇園 川上」。
夫と二人でこの日、初めて訪問しました。
部屋はしっかりと暖かく、これまた嬉しい。
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年末までずっと忙しかった夫。
「落ち着いたら、何かおいしいものを食べに行きたい」との事。
どこにいこうかなぁと考えて、行ってみたかったこちらを予約。
懐石のコースと迷ったのですが・・。
量などを伺ってお店の方と相談した結果、お弁当に決定。
「ちょうちん弁当」・・お昼のみのメニューです。
出てきました。
ちょうちんって、容れ物がちょうちんの形だからなんですね。
可愛らしいです。
ふたをとると・・。
こんな感じ。
二人して思わず歓声をあげてしまいました。
二段になっています。
上の段に刺身、煮物、揚げ物、和え物などなど。
下の段に焼き物、ごはん、香の物。
コースなら一品・一皿ずつ出てくるもの。
それらが、少量ずつきゅっと綺麗に詰められていて・・。
小さな世界。美しくて豊かです。
では、いただきます。
椀物は粕汁。山椒がかかっています。
あつあつとろり・・とてもなめらかでおいしい。
鯛のお刺身。
引き締まった身の、こりこりした食感。淡泊な味わい。
絶品でした。
煮物は大きな里芋。
真っ白なのに、出汁がしっかり染み透っている・・。
滋味あふれるとはこのことか。しみじみおいしい。
たらの芽の天ぷら。
大好物なんです。やれ嬉しや。
菜の花もあって、春を感じました。
私はもうすでにおなかいっぱい。
女性だとちょうど良いというお話だった「ちょうちん弁当」。
見た目よりずっと、量も食べ応えもある印象。
夫も満腹に近いと言っていました。が。
お店の方に「おかわりどうですか」と勧められ・・。
ご飯をお茶碗に軽く一杯、頂いてました。
炊き立てのようで、ほっかほか。
これで間違いなく満腹のよう。
水菓子は、こちら。
消化を助けてくれる、パイナップルとキウイ。
りんごのさっぱりした味もいい。いちご、好きなんだ・・。
果物はおなかいっぱいでもちゃんと入るなぁ。
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小さく見える、ちょうちん弁当。だけど、すごく大きかった!
色も味も食感も多彩で、量もしっかりある・・。
そして何より、もてなしの心を随所に感じました。
極め付けは、お見送り。
玄関を出て、お店の前でご挨拶。
私たちが路地の角まで来て、曲がる時にちらっと振り返ったら。
頭を下げて見送ってくださっている姿が見えて・・。
振り返らなかったら分かりませんでした。感動。
小さくて大きい・・色とりどりの「ちょうちん弁当」。
目で、舌で、心で・・全てで堪能しました。ご馳走様です。
ありがとうございます。
本当に心の栄養になる素敵な時間をすごせました。夫もすごく喜んでいたので良かったです。この「ちょうちん弁当」、見た目以上に量がしっかりあって、美味しいから一人で完食したかったのですが、ごはんなどを夫に手伝ってもらいました。大食漢の男性ならいざ知らず、飲み物と一緒に頂いたら男性でもちょうど良いんじゃないかな・・。そしてナプキンというか、ひざ掛けとしてお盆にのっている手ぬぐいは持ち帰る事が出来ます。丁寧、実直という印象の「祇園 川上」さん。次に訪問できる日はいつになるか。今からその時が楽しみです。。
~ある日のつぶやき~
学生時代は茶道を習っていた。(今やってみろと言われてもほとんど忘れているけど・・笑)その頃、茶道部の活動の一環として懐石料理を食べに行く機会があった。先生に連れてってもらって、部屋でかしこまる私たち。緊張していたので、断片的にしか記憶がない。ひとつ、またひとつ・・と料理が運ばれてくる。最後に抹茶と和菓子が出てきて終了。先生や先輩方と別れ、同期の仲間達と一緒に帰る道すがら「おなかすいた・・」「え!私もー」という話になって、その後、がっつりご飯を食べに行ったあの頃が懐かしい(笑)。当時と比べたら今は全然量が食べられないもんなぁ。20年という歳月は確実にいろんな変化をもたらした。変わってないのは食い意・・いや、くいしんぼの心意気だけか。。