自分の家族と一緒、「あたしンち」 けらえいこ

ありがとうな毎日 seeding of the happiness

漫画「あたしンち」。

父・母・みかん(姉)・ユズヒコ(弟)というタチバナ家の4人を中心に、

日常のなにげないエピソードが描かれた作品である。

読売新聞の日曜版に連載されているらしい。

らしい、というのは、連載ではなく全て単行本で読んでいるから。

単行本はまとめて読めるし、出るのを待つのも大きな楽しみ。

読み始めて、もう何年になるだろう。

独身の頃からだから、15年以上か。

結婚する前までに買い揃えていた巻は、実家に置いてある。

まず私がはまり、妹、母と続いて今に至る。

何度も読み返し、その都度面白くて飽きない、大好きな作品だ。

エピソードの内容は・・。

本人達は至って真面目なんだけど、ちょっと笑える行動など。

あ~こういうこと、あるある!という「あるある」ものが満載。

ぷぷっと笑って、思わず自分のまわりの人を思い浮かべてしまう。

こういう人いるよなぁ、私もするよーと、非常に親近感が持てるのだ。

これは作品世界に共感する、というレベルを超えた感覚・・。

自分の家族そのものだと感じる。

出てくるのはうちの母であり、自分である。

タチバナ家の4人家族が、とても他人とは思えない。

登場人物ごとに変わる作者の視点。

・・とても自然で、あたたかい。それが良い。

例えば、時に”はた迷惑”なタチバナ家の母の行動。

それが失笑ではなく「しょうがないなーもー」と受け入れられる。

空回りしても、家族に伝わらなくても。

本人は愛を持って、もっと良くなるようにと思っての行動だから・・。

そう思える。これも作者の描き方と作り上げた雰囲気のおかげだ。

くたくたに疲れて、何も頭に入らない時。

おやつを食べて、とにかくのーんびりしたい時。

笑いたい時に、ぷっと笑えて。

泣きたい気分の時でも、くすっと笑って気分転換できる。

どんな気持ちの時に読んだとしても、邪魔にならない。

むしろ心を良い状態に持って行ける。

まるで自分の身内であるかのようなこの4人家族+まわりのみんな。

この「あたしンち」の世界が待っていてくれたら。

いつでも元気チャージできる。

おいおいと突っ込み、うんうんと頷き、あははと笑っているうちに。

きっと「あたしンち」の一員になっている、はず。

○「あたしンち」(1~17巻) けらえいこ<メディアファクトリー>

父・母・みかん・ユズヒコという4人家族のタチバナ家。

この一家を中心に、その友人知人も交えた日々のエピソード

描かれている。

あたしンちという題からも分かるように、最初は娘・みかんが見た

エピソードが紹介されていたが、そのうち色んな登場人物の話が

どんどん増えていったように記憶している。

なので、主人公はみんな、ということになるだろうか。

中でも特に、パワフルで空回りしがちな母のキャラが面白い。