私が写真に惹かれるわけ

 

人が生きていくときには、
良いことばかりではなく、
悪いことも起こる。

良いことだけならいいのに、
と思っても、
そういう訳にはいかない。

良いことを良いと感じるためにも
悪いことが起こる必要がある。

いずれ死ぬからこそ、
生きていることの有難さが
分かるように。

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先日、私の写真をみて
「光をとらえるのがうまい」と
言ってくれた人がいた。
とても嬉しかった。

写真は、
光をどうとらえるかが勝負だと
思っている。

光と影のバランスを、
瞬時に切り取る作業だ、とも。

影があるから光の輝きが増す。
光を表現するためには、
影が不可欠なのだ。

これは人生に似ている。

輝きたいなら、影が必要だ。
より大きな光=良いことを求めるなら、
影も大きいことを、覚悟しなければ
ならない。

逆に言えば、
大きな影を持っているなら、
大きな光を得られるということだ。

だから、黒歴史があっても、
今の自分が昔の自分を思い出し、
つらくなることがあっても、
だいじょうぶ。

影を味わったなら、もうあとは
光しかないのだから。

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一枚の写真を見ていると、
その影に、光に、ちからを貰う。

両方あるから、それぞれが引き立つ。
丸ごと全部でひとつの作品なのだ。

写真っていい。ほんとに。
好きで好きでたまらない。

こんなに好きなものに出会えて
幸せだ。

これからも、
喜びながら、楽しみながら、
真摯な気持ちで写真を撮っていきたい。