伝わるということ

数年前、広島の実家で
部屋の片づけをしていたら、
原稿みたいなものが出てきた。

一見すると難解な言葉、
流れるような言いまわし、
作品の文脈を新たな解釈で語る
その内容に、
「すげー!」
「何これ、誰が書いたん?」
と思ったら、自分だった。
びっくり!
昔こんなに頑張ってたんだー私。
教授も褒めてくれてるね。
(なんか書いてあったけど、
覚えてないw)

でもこれ、一般の人が読んだら
「なんだこりゃ」なのでは?
と思った。

ある程度の素地があり、
研究している人達の意見の主流、
その他を知っていないと、
「はぁ?」だよな、と。
訳わからないはず。

だけど、
ぱっと見はこっちの方が
なんか格好良く見える&読める
のかも。

——

これは
専門分野&論文寄りの文章だから、
一般受けしなくても(ある程度は)
いいのだろう。

とはいえ、
もっともっとシンプルで
分かりやすい文章でこれを書けたら、
と今なら思う。

分野にもよるけど、
文章を書く時、文章で表現する時、
硬派で難解な言葉や言いまわしを
使う方がいい、格好良く見える、
という風潮や雰囲気って、
あるのかな。

投稿その他で
専門的な文章を読んでも、なかなか
頭に入ってこないことがある。
(読み手の読解力も関係するけど)
そういう時、少し残念に思うのだ。

この文章は、専門分野外の人達に、
できるだけ分かりやすく伝えよう、
という意識で書かれているのかな、
と。

ライターさん達の中にはそういう
表現を好んで使う人もいるのかも。

でも文章表現で一番大事なのって、
伝わる、ということじゃないかと。

あと、できたら、
ひらかな・カタカナ・漢字の
見た目のバランス=字面、
の美しいものだと尚いい。

——–

文章を書くということは、
伝えたいことがあるということ。

つきはなしたり、
すごさを見せつけたり、
怖がらせて言うことをきかせたり、
読み手を置き去りにするために
書くのではない。

伝えたいことと読み手をつなぐもの。
それが文章だと思う。

読みやすく分かりやすい文章で、
伝えたい人に伝わる文章。

外的要因から読み手の内的必然を
自然と引き出せる、
そんな文章を生み出したいものだ。
・・・なーんて書いてみたけど、
伝わらないと「は??」で終わる。

読み終わったとき、
読んでくれた人の心に、
あたたかな何かが残る、
もしくは考えたくなる、
自然と行動したくなる、
そして伝えたいことが伝わっている、
そんな文章が書けるといいなーと、
思っている。