カメラのおはなし。
今回はトリミングについて。
以前、写真を撮るのが趣味だ、
という方と話していたら、
「構図とかって余り考えなくても
後でトリミングすればいいやって
思うんですよねー」とのこと。
うんうん。
そうかもしれないけど、それって
当たってて外れてるような。
ってことを、もうちょっと詳しく。
—–
トリミングは、
確かに有効で必要な技術だ。
少しパッとしない印象の写真でも
うまいトリミングで、
がらっと良い印象に変わることも
ある。
空間バランスだけでなく
主題、伝えたいこと、を考えて
切り取るのってセンスが要るし、
活躍しているカメラマンさんは
これがすごく上手。
だけどこれもきっと
最初に良い構図で撮影すること
ありき、だと考える。
そしてその感覚がないと、
うまいトリミングもできない、
と思うのだ。
トリミングしたらどうにかなる。
だから、
最初の構図はおおざっぱでいい、
何も考えなくていい、という
訳じゃない気がする。
組み立てて考えて、
感覚も活かしながら、
構図を決めて撮った後、
必要があって、もしくは
そうした方がより目的に沿う、
良くなる、という意図で
トリミングするならいいのかなと。
あとは明確な目的があって、
デザイナーさんが行うなど。
あくまで二次的なもの、というか。
——–
あと、
プロに撮影して貰った写真を
クレジット(撮影者の名前)入りで
紹介する際、
撮ってもらったそのままの写真、
もしくはそれに近い形の写真を
使っていますか。
私のお客さんではないけれど、
先日見かけた写真。
原型をとどめないほど、
ざっくりかつ、一部分だけ
トリミングされた写真に、
クレジットが入っていた。
トリミングは撮影者ではなく、
お客様がされたもののよう。
見た瞬間、胸が痛んだ。
まるで、
私が写真になったような気分で。
大げさかもしれないけれど。
プロの写真は、
構図も考えて撮られたもの。
全体がひとつの作品だ。
納品したら
もうお客様のものだから、
どう使ってもいい、というのは、
確かにそうかもしれない。
その方もトリミングに悪気はなく、
また、撮影者を紹介しようという、
善意があったんだと思う。
でもでも、
そのトリミングで紹介してしまうと
撮影者としては少し複雑なのでは・・
と思ってしまった。
撮影者は
この構図で撮ったんだ・・or
何をどう撮ったんだろう
一部しか見えないけど・・or
どういう意図で?等と思われて
しまう可能性があるから。
撮影者を紹介しよう、
と思ってくれる気持ちが
まず嬉しい。
クレジットを入れてくれた、
という行動が嬉しい。
もちろん、
仕事を依頼してくれたこと
からして、とても嬉しいことだ。
だがここで考えてみる。
ほんの一部分しか見えないほど
トリミングした写真で、果たして
写真の魅力は伝わるのかと。
(伝わることも、場合によっては
あるだろう。
でもここでは触れない)
紹介するならまるごと、
もしくはトリミングするとしても
ほんの少しだけ、なら有り難いかな
と、撮影者の立場として思った。
私は、”必然性”があることをする、
というのが最も自然な行動だと
思っている。
トリミングする必然性、
撮影者を紹介する必然性、
これらはどこにあるのか。
トリミングしてもいい。
だけどそれが、
作品全体が何か分からないほどなら、
まず、
トリミングする必要、意図があるのか、
して掲載する必要があるのか、
するなら撮影者の紹介は必要あるのか。
それらの優先順位、バランス、
必然性を考えたら答えは出ると思う。
——
整理すると、
・トリミングって二次的なもの。
だけどちゃんと上手くできたら、
作品の魅力は増す。
・プロの作品をトリミングする際は注意。
作品全体が全く分からない、
何が写っているか不明なほどの
トリミングは、クレジットを入れるのが
もしかしたら・・^^;という可能性が
あるかも。
私がトリミングについて思うことでした。
ではではまたー(^^)/