チーズパン

ありがとうな毎日 seeding of the happiness

私が通っていた保育園では、お昼は給食だった。給食といってもおかずのみ。主食は自宅から持参ということになっていて、ごはんの日もあったが、私が今でも鮮明に覚えているのはパンの日だ。その日はからっぽの弁当箱をカバンに入れて家を出発する。母がこぐ自転車は下りの坂道でぐんぐんスピードを増していく。これ以上スピードが出たら気絶する~というところでいつも平坦な道になり、ほっとしたものだ。しばらく行くとスーパーの前にあるパン屋さんに到着。パンの焼ける良い香りが店の前にも漂い、自然と笑顔になる。店内に入ると、トレーに”焼きたて”という札がついたパンが、いくつも並んでいる。普段なら菓子パンも買ってくれるが、給食と一緒に食べるパンは食事に合うものを、と言われていた。私が選ぶのは決まってチーズパン。その当時の私のにぎりこぶしより少し大きいくらいの丸い形をしていて、サイコロ状のチーズが入っている。中にはチーズがあふれ出ているものもある。チーズが多そうなのを・・とじっくり選んだそれをひとつかふたつ買うと、弁当箱にぽんっと入れてふたをする。つぶれてしまうのが残念だったが、仕方ない。カバンに入れたらあとは急いで自転車に飛び乗り、保育園に向かうだけだ。パンを食べたことより、こうして母と登園前に焼きたてパンを買ったことの方をよく覚えている。いろんなパンがトレーに並んでいるのを端から端まで全部見るのが毎回楽しみだった。クリームパン、今日はちょっと大きいな、これは新しいパンだ!今度来た時買ってもらおう・・などと思いながら。パンを買いにお店に行ったらみんなそうする、と思っているのだがどうだろう。


<チーズパン>

当時のパンを思い出してチーズパンを焼いてみました。フランスパンの生地を作り

イコロ状のチーズを包んで、切り込みを入れて焼くと完成~。チーズもじゅわっと

しみだしています。これですね~、チーズパンの魅力は。私は生地にごまや、バジ

ル等のハーブを入れるのがお気に入り。今回脇役として登場して貰ったのは、当時

私が使っていたお弁当箱。大好きなアニメのキャラクターが描かれたこのお弁当箱、

母が取っておいてくれたのを先日送ってくれました。両親が共働きだったので、朝は

いつも大慌てだったような気がします。大変なので買い置きしたパンでもいいんでは

?と思いますが、なるべく出来たてのものを・・と考えてこうしてくれていたようです。
くいしんぼな私はいろんなパンを朝から見られるだけでも至福でした~。

ありがとうございます。