
あの頃と変わらぬ笑顔話し方楽しいからこそ増すさみしさ
一瞬で愛しき人とその未来奪われてなお生きる尊さ
「映画の風景 -残りし者達-」
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◎創作ノート<解説>*ネタバレを含みます
映画「母と暮せば(2015)」は、山田洋次監督が井上ひさしさんの戯曲「父と暮せば」と対になる作品として遺志を継ぎ映画化したものだそうで、設定が母と子になっています。舞台は長崎。助産師の母の前に、原爆で亡くなった息子が姿を現します。それは、毎日陰膳を備え息子に語り掛ける母が、もう息子は亡くなったのだと諦めようとした時。クラシック好きでユーモアがある医大生の息子、一人残され懸命に生きる母。いくつか心に残る場面があるのですが、挨拶に来てくれた二人を母が息子の仏壇の前で迎えるところ。頭ではこれが最善だ、良かったと分かっていても、亡くなった息子を思うとさみしくて悲しくなる。この時の涙の重さと深さ。その心情を瞬時に理解し、再訪すると言って辞する二人の思い遣りもいい。一瞬で奪われてしまう残酷さと、残りし者達の生きる姿。「父と暮せば」と合わせて見てもらいたいです。