*これは作中の木と同じではないものの、緑の葉の下も二人にとって大事な場所なので。。
記憶から消えてはなくて沈んでた 浮上し涙 ワンフレーズで
1ピースずつ組合せ、出来ていく あの悲しみもその1ピース
「ドラマの風景 -ジグソーパズルの一部-」
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◎創作ノート<解説>*ネタバレを含みます
誰かを思い出すよすがになるもの。それは香り、味わい、似た人を見たこと、服などの手触り、だけでなく、よく聴いていた歌もそう。忘れていた、記憶から抜け落ちた、と思っているものでも、消え失せたのではなく、深く脳裏や心に沈んでいただけ。ちゃんと存在している。ふとしたきっかけでそれが浮上し、心が先に気づいて涙があふれる。涙のわけを自問して思い出し、また涙。全編を通して、ある曲がテーマとなっており、絶妙なタイミングで流れます。その曲は、宇多田ヒカル「First Love(1999)」。私がみたドラマはNetflixシリーズ「First Love 初恋(2022)」です。出会い、育み、別れ、また出会い、出会い直し、そして。今回詠んだのは、この作品で最も印象的だった場面です。個人的には、青年期の晴道を演じた木戸さんのピュアさとまっすぐさがいいなと。私が初めて木戸さんをみたのは「ゆりあ先生の赤い糸(2023)」で伴ちゃんを演じておられた時。印象的な笑顔が今回の作品でも(「First Love 初恋」の方が先なのですが私はこの後にみたので)、胸を打ちます。人の人生は也英の独白にもあったようにジグソーパズル、もしくはタペストリーのようなものなのかもしれません。也英と晴道にとって悲しい、悲しすぎるアクシデント、経験を乗り越え、それらも合わせた、かけがえのない人生。そのジグソーパズルの一部である1ピース1ピースをひとつずつみていくと胸がいっぱいになりました。私はハッピーエンドの作品が好きです。だからこの作品が好きです。