先月のとある日、「司馬遼太郎記念館」* へ行ってきました。
ご自宅と記念館が、緑豊かな庭で繋がっています。
ここは、安藤忠雄氏設計の記念館、エントランス部分へ向かう通路。
光が降り注ぐ明るい空間です。
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東大阪市・下小阪。
最寄り駅は、近鉄の「八戸ノ里」&「河内小阪」の両駅。
ちょうど中間の辺りにあります。
この日初めて、河内小阪駅にて下車。
商店街があるようなので、こちらから行くと面白いかなと思って。
一応地図を持っていたのですが・・思い切り迷いました。
思った以上に細い道を、住宅街の中をぬって辿り着かねばなりません。
案内板が出ていたけれど、初めて来る人はきっと迷うと思います。笑
行きつ戻りつを繰り返し、ようやく「司馬遼太郎記念館」に到着しました。
門を入ってすぐ、右手にある自動販売機でチケットを購入します。
それから庭を少し歩くと、司馬先生の書斎が見えます。
大きな椅子が置いてあり、壁の書棚には本がぎっしり。
庭には様々な種類の木々と草花。
やぶ蚊に二か所刺されてしまい、かゆさをこらえつつ、奥へ。
木立を抜けると・・先ほどの写真で紹介した通路が見えてきました。
この先が入り口です。
記念館内は撮影禁止。じっくり見てまわります。
圧巻なのは、天井から地下一階までの書棚に並べられた本の数々。
司馬先生がお持ちだった書物は、約6万冊。
それを実際にイメージして貰うため・・ということで約2万冊が飾られています。
言葉で「2万冊」「6万冊」と聞いても、へぇ~という感想がほとんどなのでは・・。
数が多すぎて、頭ではイメージしにくいから。私がそうでした。
だけど、こうして2万冊の蔵書を実際に目にすると・・。
その膨大さ、とんでもなさが分かります。
2万冊でこれ。ってことは・・もう、へぇ~どころの話じゃない。
・・っかー、すごい!!!と、心の中で何度もつぶやきました。
司馬先生の作品、熱狂的なファンが大勢おられますよね。
私が拝見した事があるのは「坂の上の雲」「功名が辻」「燃えよ剣」くらい。
各作品の歴史観について等々、議論されているような難しい事は分かりません。
でも、独特の語り口、途中ではさまれる解説風のひとことなど。
司馬先生の文章にある香気が好きです。
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「司馬遼太郎記念館」を後にして向かったのは、大阪樟蔭女子大学。
最寄り駅は同じく、近鉄の「河内小坂」駅。
こちらは駅から徒歩5分の場所にあります。
大阪樟蔭女子大学は、作家・田辺聖子先生の出身校。
こちらの図書館内に「田辺聖子文学館」* があるんです。
門を入って、守衛さんに文学館を見学したい旨、申し出ると・・。
GUESTと書かれた入校証を下さいます。それを首から下げて、いざ。
「田辺聖子文学館」の入り口。
ここから先は・・とびきり楽しい田辺聖子ワールドが広がっています。
昔からの田辺ファンである私にとって、本当に至福のひとときでした。
先生が女学生の頃、友人と編集して作られていた冊子「少女草(をとめぐさ)」。
これの復刻版があったり。
(「欲しがりません勝つまでは」に出てきます。)
カモカのおっちゃん(御主人)と仲良く寄り添った写真が飾られていたり。
書斎を再現した空間には、スヌーの巨体のみならず、リサガスのグッズも。
先生のお好きなもの・キャラクターと、自分の好みが同じ、というのが嬉しい。
そうそう、先生が受賞された紫綬褒章の褒状と勲章等も展示してありました。
もちろん本物。こ、こういうものって自宅に置いておくのかと思ってた・・。
文学館に展示してあるのは、ぜーんぶ”お宝”というべきものばかり。
田辺先生の愛蔵品がたくさん並んでいるんです。
「若い日の夢はあきらめずにじっと抱いていないといけない」
(「楽天少女通ります」より)。
しおり風のパネルに描かれた言葉。おせいさんの笑顔が愛らしいです。
田辺先生の世界に浸っていると・・。
普段忘れている童心、物や人を愛おしく思う心が、むくむくと湧きあがってくる。
そして、心が明るく軽くなり、ふんわり漂って楽しくなるのです。
あーやっぱり、好きだなぁ。
木立を抜けて・・「司馬遼太郎記念館」&ふんわり楽し・・「田辺聖子文学館」。
どちらも、近鉄「河内小坂」駅から行ける素敵な場所でした。
ありがとうございます。
「司馬遼太郎記念館」は入館料¥500、「田辺聖子文学館」は無料です。「司馬遼太郎記念館」では年配の方々が、結構な大人数スタッフとして活躍されていました。記念館の天井に、幕末のある人物に見えるシミがあることとか、グッズ売り場にあったストラップがひとつずつ手作りであることなど、色々お話を聞けて良かったです。「田辺聖子文学館」は、先生のファンならもう、見どころ満載というか見どころだらけ、見どころしかない空間。田辺先生の提供された”お宝”はもちろん、後輩の皆さんが企画して作ったコーナーなどがすごく充実していて、素晴らしかったなぁ。いつまででもいたいくらいでした^^。。
~ある日のつぶやき~
テレビのインタビュー(特に相手が一般の人、素人の人の場合)を観ていて思うのが、親しみやすさと馴れ馴れしさは違うということ。タメ口で妙にテンション高く話しかけるのが親しみやすさだと思っているんじゃないか。インタビュアーは、相手が年下でも敬語を使い、相手の反応を受けてこちらの問いを考える・変えていく、というのが基本だと思う。あらかじめ決めている問いを投げかけることに精いっぱいで、相手の返事を聞いていない・流す、まともに敬語を使えないことを隠すためかタメ口で話す、相手に逆に気を遣わせたり、インタビュイーがリードしなきゃいけなくなっていたり・・などは、観ていて心がざわざわする。あと、相手の言葉を鸚鵡返しするだけで、時間がすぎていくようなもの。これもなんだか残念だ。こうしてみると、インタビューというのは難しい。が、プロとして画面に出る以上、やはり視聴者の期待と同じか、それ以上のものを引き出して欲しい。臨機応変、当意即妙、その場の雰囲気が盛り上がって温かくなるような、楽しいインタビューを観たいなぁと思う。。