ジャムトーストセット

ジャムトーストセット。

りんご、いちご、ブルーベリー。
三種のジャムがのったトースト。
合わせたのはミルクティー。

こんな外観の喫茶店。

ジャムを丁寧に塗り広げる。
では、いただきます。

——–

この日は昼間でかけていて、
夕方、こちらのお店へ。

木々に埋もれるような入り口。
そっとドアを押すと、ちょうど入り口
そばのテーブルがひとつ空いている。

メニューを開いて「お!」と思った。
ジャムトーストの文字があったから。
これに決まり。

ジャムトーストには思い出がある。
おいしくて、せつなくて、
少しさみしい思い出が。

保育園時代。
お迎えまでの紙芝居の時間。
二回目のおやつとして出されていたのが、
薄くて小さなジャムトースト。
ジャムは決まっていちごだった。

母がなかなか迎えにきてくれない時は
涙をこらえつつ食べてたなぁー。
なつかしい。

——–

今はこうして大人になり、
ひとりで喫茶店に入って、
ミルクティーなんて飲みながら、
食べている。

ジャムトーストも大きくて、
ひとりの時間も楽しめている。
これが大人になるってことなのかな。

大人になったら、大人になれば、
さみしさってなくなるのかと思ってた。

だけど、感じる時もある。
さみしさって敵じゃなくて、
うまくつきあっていく友達みたいな
ものなのかもしれない。

なーんてことをぼーっと考えて、
しみじみとこの静かであたたかな空間に
身を置いたひととき。

また来ようっと。